コラム column

企業サイトに“コラム”って必要?──メリットとデメリットを実感ベースで考える
企業サイトに“コラム”って必要?──メリットとデメリットを実感ベースで考える 2025/06/04

WordPressで企業サイトを作るとき、「コラムページって作るべきか?」っていう話、けっこうよく出てくるんですよね。
私自身、フリーランスとして関わってきた案件の中でも、「あった方が良いと思いますか?」と相談されることは何度もありました。

正直に言えば、「あった方がいい場合もあるし、無理に作る必要がない場合もある」。
じゃあ、その判断基準ってどこにあるの?ってところを、今回は自分なりの視点で掘り下げてみようと思います。

企業サイトにコラムを設けるメリット

1. SEO(検索流入)に強くなる

これは一番よく言われる理由ですね。
サービスページやトップページって、基本的にはビジネス向けのキーワードで作られていることが多いんですが、そこに「ユーザーの悩みに寄り添ったコラム記事」を追加することで、検索に引っかかる入り口を増やせるんです。

たとえば「税理士 開業サポート」ってページだけじゃなくて、
「税理士に依頼する前にチェックしたい3つのポイント」みたいな記事を出しておくと、潜在層の検索キーワードにも対応できる

2. 専門性・信頼感の補強になる

サービス紹介だけだと、どうしても「売り込み感」が強くなってしまいがち。
その点、コラムを使って「業界の課題」「お客さんのよくある疑問」「裏側で実はこうしてます」みたいなことを発信すると、自然な形で信頼感を与えることができます

私は、「売る」より「語る」方が、かえって伝わるケースって結構あると思ってます。

3. SNSやメールで“発信するネタ”になる

コラム記事が定期的に出ていれば、SNSやメルマガでも自然に情報発信ができます。
「お知らせ」しか出してない企業より、タイムラインに流れてくる情報に温度感があるというか、”ちゃんと考えてる会社だな”って印象になります。

一方で、コラム運用にはデメリットもある

1. 継続更新のハードルが意外と高い

これ、地味に大きい問題です。
最初は「月1本ぐらいなら書けそう」って始めても、だんだん止まってしまう企業さんは本当に多いです。

私の肌感ですが、3〜4本で止まるケース、かなりあります。
更新が止まってしまうと、むしろ「止まってる感」が悪目立ちするので、やらない方がマシなことも…。

2. ライティングのクオリティ問題

「担当者が書きます」となったはいいけど、読みやすさや構成が整っていないと、かえってブランドの印象を下げることもあり得ます。

もちろん、外注ライターという選択肢もあるけど、「誰に頼むか」「監修は誰がするか」など、コンテンツの質をどう担保するかが大事になってきます。

3. 直接的な成果に結びつきにくい

SEOや信頼感の強化につながるとはいえ、すぐに問い合わせが来るような即効性があるかと言うと、そうでもないです。

経営者や営業チームが「結果出てない」と判断してしまうと、続けるモチベーションも失われやすい。
このあたりは、長期視点での投資と割り切れるかどうかが分かれ目かなと思います。

結局、どんな企業にコラムは向いている?

継続的に発信できる社内体制がある

担当者が明確に決まっていて、発信を楽しめるような文化がある会社。
こういうところは、多少ラフな記事でも親しみが出て、結果的にファン化やリピーター獲得につながりやすいです。

見込み顧客との接点を増やしたい業種

BtoBや士業、専門職系など、「すぐに買うわけじゃないけど、知識を求めて検索されやすい」業種では、コラムとの相性が良いです。
つまり、“長く検討される”サービスほど、情報を届けておく価値がある

私自身が感じていること

私も、自分のサイトにこうしてコラムを書くようになって、「あ、こういうこと書くと意外と読まれるんだな」とか、「この記事がきっかけで問い合わせがあったな」みたいなことが増えてきました。

もちろん、記事1本で劇的な変化があるわけじゃないけど、「伝える努力を続けること」って、小さな積み重ねとして効いてくるんだなと思ってます。

おわりに

企業サイトにコラムをつけることには、ちゃんとメリットもデメリットもあります。
大事なのは「他社がやってるからうちもやる」じゃなくて、自分たちの体制や目的に合った方法を選ぶこと

無理に更新を続けるより、「更新しない設計で良いサイト」を目指すのも立派な判断です。
でも、「続けられる仕組みがあれば、それは武器になる」と、私は実感しています。

ノーコードもWordPressも、“どちらが正解”ではない
ノーコードもWordPressも、“どちらが正解”ではない 2025/06/02

最近は「ノーコードで全部作れます!」というツールも本当に増えた。STUDIOなんかはその代表例だと思う。
私も使ってみて「これは便利だな」と思うことは多い。
ただ、それでもWordPressを選ぶこともあるし、「どっちが正解か」という問いにはあまり意味がないと感じている。

ノーコードの魅力は「スピード」と「見たまま感」

LPやシンプルなコーポレートサイトには最適

特にSTUDIOは、デザイン→公開までが圧倒的に早い。
コーディングの知識がなくても、見たまま操作で整ったページが作れる。これは、クライアントとの確認や修正も含めて、大きなメリット

でも、万能じゃない

カスタマイズの限界はすぐに来る

少し動的な仕組みが必要になったり、条件分岐やフィルタリングをしたくなると、一気に厳しくなる。
「それ、WordPressなら簡単にできるのにな…」という場面は結構ある。

SEOや更新機能でも差が出る

ノーコードツールの多くは、SEOの細かい設定や運用性(たとえばカテゴリごとの一覧表示など)で制約がある。
その点、WordPressはCMSとしての完成度が高いから、更新が多いサイトには向いている。

「どっちを使うか」は、目的と予算次第

すべてを比較しない。選ぶ基準をはっきりさせる。

  1. スピード重視・デザイン重視 → STUDIO
  2. 拡張性・運用性重視 → WordPress
  3. 両方の要素が必要 → STUDIOで仮組み→WP移行 みたいな分業もアリ

おわりに

私は、ノーコードもWordPressも、それぞれに強みがあると思っている。
重要なのは、「自分が使いたいからこれにする」ではなく、誰のために、どんな目的で作るのかを考えて、最適な方法を選ぶことだと思う。

カスタムフィールドでつくる、柔軟な投稿設計
カスタムフィールドでつくる、柔軟な投稿設計 2025/05/30

私はWordPressでサイトを作るとき、ブロックエディターよりも「カスタムフィールド派」だ。
なぜかというと、クライアント側の運用や管理のしやすさを考えると、柔軟性や安定感の面で、こっちの方が安心できるから

ブロックエディターが便利なのは間違いないけど

でも、柔軟すぎると逆に「ぶれる」

ブロックエディターは自由度が高い分、運用が始まったあとに「なんかデザイン崩れてきたな…」ということがよく起きる。特に、複数人で更新するケースだと、ブロックの使い方がバラバラになりがち。

一方、カスタムフィールドは「設計が固定化できる」

例えば、タイトル、画像、キャプション、本文…みたいに「ここにはこれを入れる」っていうフィールドを事前に用意しておけば、運用がずっと安定する。

カスタムフィールドで設計するメリット

デザインとの結びつきが強くなる

特定のフィールドに入力された内容を、テンプレート側で確実に拾って表示できる。つまり、デザイン崩れを防げる

拡張性が高い

あとから「この項目も追加したい」というときも、フィールドを1個追加してテンプレートに反映すれば済む。構造がシンプルだからこそ、改修しやすい。

気をつけたい落とし穴

入力UIが少し無機質

カスタムフィールドって、管理画面の見た目がちょっと味気ない。
そのままだと「どこに何を入れるのかわかりにくい」ので、私はACFやカスタム投稿UIを工夫して、運用者に優しい設計を心がけている。

おわりに

正直、ブロックエディターも日々進化していて、「これなら十分だな」と思う場面も増えている。
でも私は、意図通りにコントロールできる安心感という点で、やっぱりカスタムフィールドを使い続けている。

“コーディングできる人”と“現場で通用する人”の違いって?
“コーディングできる人”と“現場で通用する人”の違いって? 2025/05/28

「コーディングできるようになったから、案件取れるはず」
学習初期の頃、私もそう思っていた。けど、実際は違った。
今回は、私が実務を通して感じてきた、“コーディングができる人”と“現場で通用する人”の違いについて書いてみようと思う。

コーディングができる=「書ける」だけでは足りない

HTML/CSSは誰でも習得できる時代

今は動画教材やオンラインスクールが充実していて、HTML/CSSは割とスムーズに習得できる。でも、それって「再現する力」にはなるけど、「実務で使える力」とはちょっと違う。

クライアントが求めているのは「完成された成果物」

クライアントは「きれいなHTML」を求めてるんじゃなくて、「ちゃんと動いて、見た目も整っていて、目的を果たすサイト」を求めている。そこには、見えない部分の配慮がたくさん含まれてる。

現場で求められるスキルとは?

納期と段取りの感覚

「いつまでに何を提出するか」を逆算できる力。どこでつまずきそうか、どうやって先に詰めておくか。その感覚がないと、いくらコーディングができても現場での信頼は得にくい。

コミュニケーション力って、思ったより大事

チャットのレスが遅い、伝え方があいまい、仕様を確認せず進めてしまう…。こういう小さな積み重ねが、「あの人には次お願いしにくい」という印象を生む。

自分で調べて、解決できる力

いちいち誰かに聞かなくても、エラーが出たらまずは自分で調べて試す。これができる人は、現場でも「安心して任せられる人」と思われやすい。

「写経」と「応用」のあいだにある壁

最初は写経でもいい。でも、コーディングを「自分の頭で考えて組み立てる」フェーズに進まないと、いつまでも“練習中の人”から抜け出せない。

おわりに

コーディングができるのは、もちろん大前提。
でも、現場で「またお願いしたい」と思われるのは、その先の配慮や行動ができる人だと、私は思っている。

ノーコードツールに頼ることは“甘え”か?って悩んでたけど…
ノーコードツールに頼ることは“甘え”か?って悩んでたけど… 2025/05/26

ノーコードに手を出すときの後ろめたさ

最初にSTUDIOを使ってみたとき、「これ、便利すぎて逆に怖いな」と思った。コードを書かなくてもデザインができる、公開も簡単、SEO設定も一通りできる。こんなに簡単でいいのか?と。

でも同時に、「こんなことしてて、ちゃんとスキル伸びるのか?」というモヤモヤもあった。どこかで「コードを書けることが正義」だと信じていたんだと思う。

実務を経験して分かったこと

コーディングを仕事として受け始めてから、考え方が少しずつ変わってきた。結局のところ、クライアントは成果が出ることを求めていて、手段はそこまで気にしていない

もちろん、ノーコードで限界がある案件もある。動的な投稿、複雑な検索機能、EC構築なんかはやっぱりWordPressやJSが必要。でも、情報発信のための簡単なLPや店舗サイトなら、STUDIOで十分すぎる。

技術を知ってるからこそ、ノーコードを選べる

私の場合、コードを書けるようになったことで、ノーコードツールの制限も見えてくるようになった。そして「ここまではSTUDIOでいける」「ここからはWordPressに切り替える」みたいな判断ができるようになった。

つまり、「ノーコード=甘え」ではなく、「ノーコードを適切に使えること」が今のスキルなんだと思う。

最後に思うこと

昔の私に言いたいのは、「ノーコードに頼ることは悪いことじゃない」ってこと。むしろ、自分の時間やリソースをうまく使う手段として、堂々と使っていい。

コードが書けることと、効率よく作れることは、両立していいと思ってる。

functions.phpじゃないと書けないこと、プラグインで済ませられること
functions.phpじゃないと書けないこと、プラグインで済ませられること 2025/05/23

気づいたらfunctions.phpがパンパンになってた

自作テーマを作るとき、ついあれもこれもとfunctions.phpに書き足してしまう。気づけば1000行近くなってて、どこに何が書いてあるのか自分でも分からなくなる。

そういうときに思う。「これ、プラグインで済ませてよかったんじゃ?」と。

何でもfunctions.phpに書くと、あとが怖い

functions.phpのいいところは、自由に書けるところ。必要な機能をサクッと追加できる。でも、長く運用するなら「誰がメンテするか」も考えないといけない。

たとえば、管理画面のカスタマイズとか、特定のタクソノミーの表示順変更とか、ACFの設定に応じたテンプレ出力…このへんは自分でカスタマイズした方が早いし、functions.phpで書く方が効率的。

でも、お問い合わせフォーム、SEO設定、キャッシュ管理などは、すでに実績のあるプラグインに任せた方が安定する。

自分で書くべきか?任せるべきか?

私の中での基準はこうだ:

  • サイトごとに違う仕様 → functions.php
  • 汎用的で、他サイトでも同じように使う → プラグイン

それだけの話なんだけど、つい“全部自分で制御したくなる”衝動にかられて、気づいたらfunctions.phpが迷子になってたりする。

割り切りも大事

最近は、「使えるものは使う」という姿勢でプラグインを取り入れるようにしている。昔は「functions.phpで全部書けるようにならなきゃ」って思ってたけど、それって思い込みだったなと。

目的は「いいサイトを作ること」であって、「全部自分で書くこと」ではない。

カスタムフィールド派の私がブロックエディターとどう向き合ってるか
カスタムフィールド派の私がブロックエディターとどう向き合ってるか 2025/05/21

ブロックエディターは苦手意識から始まった

WordPressにGutenbergが搭載されたとき、「うわ、見た目が全然変わった…」と戸惑ったのが最初の印象だった。クラシックエディターに慣れていた私にとって、ドラッグ&ドロップで動くUIは“自由すぎて不安”だった。

その頃から私は、カスタムフィールド(ACF)を使って、項目をガチガチに管理するスタイルにハマっていった。テキスト、画像、チェックボックス…それぞれの意味を明確にして、出力も整える。なんとなく「正しい管理」をしている気になれていた。

ACFの安心感と、ブロックエディターの曖昧さ

ACFだと「この項目を入れれば表示される」「入れなければ非表示」というのが明確になる。構造を意識してサイトを組み立てたい私にとって、それはとても心地よかった。

一方で、ブロックエディターは“何でもできてしまう”。その自由度が逆に設計を難しくしてると感じていた。クライアントが自由にレイアウトできるのは便利だけど、崩れやすいし、メンテのときに「この表示どこで編集するんだっけ?」となりがちだった。

じゃあ、今はどうしてるか

今の私は、「誰が更新するか」によって判断を分けている。

  1. 自分しか触らないならブロックエディターでもいい。
  2. クライアントに触ってもらうなら、ACFで制限をかけた方がミスが起きにくい。

つまり、どちらかを否定するんじゃなくて、ケースバイケースで選ぶようにしている。

最後に思うこと

正直、ブロックエディターの進化は目覚ましいし、できることもどんどん増えている。でも私にとっては「構造が読めて、出力もコントロールできる」ACFの方が、まだまだ手放せない。

今後、フルサイト編集の流れがもっと進んだら、また考え方も変わるかもしれないけど、今のところ私は「カスタムフィールド派」として、うまくブロックエディターと距離をとってやっている。

「カスタム投稿タイプって結局なにが便利なの?」と自分に問い直した話
「カスタム投稿タイプって結局なにが便利なの?」と自分に問い直した話 2025/05/19

カスタム投稿タイプとの出会い

最初にカスタム投稿タイプという言葉を聞いたとき、「なにそれ?」というのが正直な感想だった。投稿と固定ページの違いさえ曖昧だった当時の私にとって、それはまさに未知の機能だった。

でも実務でテーマを作るようになって、「あれ?これ投稿でやるにはちょっと無理があるな」と思う場面が出てきた。たとえば「お知らせ」と「ブログ」、さらに「スタッフ紹介」まで全部投稿でやろうとすると、管理画面がゴチャつくし、テンプレートの出し分けも面倒になってくる。

そのとき初めて「カスタム投稿タイプって便利かも」と思った。

管理と出力の分離が、こんなに楽だとは

私は整理整頓が得意なタイプではない。でも、カスタム投稿タイプを使うと、投稿の種類ごとに管理画面を分けられるから、情報がスッと頭に入ってくる。

クライアントにとってもそれは同じで、「この情報はどこから編集すればいいんですか?」と聞かれにくくなるのも実感している。

そしてテンプレート側でも、投稿タイプごとにクエリを書けるから、無駄に条件分岐を書きまくらなくて済む。これはコーディング時のストレスがだいぶ減る。

「なくてもできる」は、「あるともっと楽になる」の裏返し

昔は「わざわざカスタム投稿タイプを使わなくても、カテゴリ分けでいけるんじゃ?」と思っていた。たしかに、そういう構成でも動くことは動く。でも、それって「ちょっと使いづらいけどまあ我慢する」みたいな状態だったんだと、今は思う。

カスタム投稿タイプって、導入ハードルはちょっとあるけど、一度覚えてしまえば構造化が圧倒的にしやすくなる。設計の段階で「これは分けておいた方がよさそうだな」と判断できるかどうかが、サイト全体の保守性に効いてくる。

結局のところ、私はどう使ってる?

私はオリジナルテーマを組むとき、「これは繰り返しが出そうだな」「投稿と混ざると違和感あるな」と思ったら、だいたいカスタム投稿タイプを使う。例を挙げるなら、コラム、制作実績、スタッフ紹介、FAQ、教室情報…こういうものは全部分けている。

結果、テンプレート構成がシンプルになり、メンテも楽になる。要は「あとから自分が楽できる仕組み」にしている。