ピクセルかremか? Web開発での単位選びの最適解とは

2024/09/19

こんにちは。なつみです。

先日、新規のお得意先様から「なぜremを使うのか? 絶対にpxの方が良い」と力説されました。

rem派の私としては、確かにremの方がコーディングしやすいと感じているのですが、うまく説明することができませんでした。

自分が使っている技術について、納得して説明できないのは良くないと思い、それぞれのメリット・デメリットを徹底的に調べて考えてみることにしました。

 

px派の主張

pxの最大の強みは正確さです。ピクセルは画面上での物理的な単位だから、pxで指定すれば、常にその通りのサイズで表示される。これにより、デザインの一貫性が保てるし、意図した通りのレイアウトが崩れることがない。」

rem派の反論

「でもその正確さが問題になることもあるよね。特に、ユーザーのブラウザ設定やデバイスが多様な現代では、固定されたピクセルサイズだとズームや異なる解像度に適応できない。一方でremなら、ルートフォントサイズを基準にしているから、ユーザーがフォントサイズを変更したり、異なるデバイスで表示しても、自然に調整されてレスポンシブなデザインが可能なんだ。」

px派の反論

「確かにレスポンシブデザインは重要だけど、ピクセルでレイアウトを決めた方が、厳密なデザインコントロールができるんだ。例えば、ピクセルベースでデザインされたコンポーネントをそのまま再現する場合、remだと相対的なサイズ計算が絡んできて、思い通りの見た目にならないことがある。デザインがシビアなプロジェクトでは、正確さを求めるpxの方が有利だ。」

rem派の反論

「でも、その厳密さが逆に面倒になる場合も多いよ。たとえば、大規模なプロジェクトでメンテナンスを考えると、pxで一つ一つの要素を調整するのは手間がかかるし、すべての画面サイズで同じ見た目を保とうとすると、メディアクエリを使ってデバイスごとに設定し直さなきゃいけない。remなら、ルートのフォントサイズを一つ変えるだけで、一貫して全体が調整できる。」

px派の再反論

「メンテナンス性は認めるけど、パフォーマンス面ではpxが勝ってると思うよ。ブラウザはピクセルで指定された要素をそのまま描画するから、相対的な計算が不要で、レンダリングが速い。小さな違いに見えるけど、特に大規模なページやリッチなデザインが求められるプロジェクトでは、この違いが効いてくる。」

rem派の反論

「それって本当に体感できるレベルなのかな?現代のブラウザは、相対的な単位の計算も非常に高速だから、remを使ってもパフォーマンスが問題になることはほとんどないよ。それに、将来的なアップデートやデバイスの進化に対応できる柔軟性を考えると、remの方が長期的なパフォーマンスの最適化になると思う。例えば新しいデバイスが登場した時、pxで固定されたデザインだとすぐに古くなってしまう可能性があるけど、remなら適応できる。」

px派の再反論

remが未来のデバイスに対応できるとしても、今デザイナーが求める厳密なサイズを提供できるのはpxなんだ。デザイナーと開発者の間で、ピクセル単位で正確に再現することが求められている場合、pxを使わないと話にならないこともある。例えば、ピクセルごとのデザインガイドラインがある場合、相対的なremだと誤差が出る。」

rem派の最終反論

「その通りかもしれないけど、全てのプロジェクトがそのような厳密さを必要としているわけじゃないし、現代のウェブ開発ではユーザー体験が最優先。ユーザーのブラウザやデバイス設定を尊重して、柔軟に対応する方が、結果的に多くのユーザーにとって使いやすいウェブサイトになる。アクセスするデバイスや画面サイズが多様化している今、remのような相対単位の方が、全体の柔軟性やアクセシビリティを向上させると思うんだ。」

 

px派とrem派、それぞれの主張には正当な理由があります。

pxは正確さと厳密なデザインコントロール、パフォーマンスを重視する一方、remは柔軟性、メンテナンス性、レスポンシブデザインの対応力に優れています。

プロジェクトの要件やユーザーの体験を考慮し、適切なバランスで使い分けることが理想的なのかもしれません。